携帯通信3社の苦戦が続いています。楽天モバイルの0円プランの廃止による、ドコモ、KDDI、ソフトバンクへの流失、またKDDIの大規模障害にともなう、ドコモ、ソフトバンクへの流失下期も厳しい展開が予想されます。生き残りをかけ、法人事業、非通信へのシフトがさらに求められます。
携帯通信大手3社は主力の個人向け通信事業で苦戦が続いている。政府の政策に伴う通信料値下げが響き、2022年4―6月期連結決算(国際会計基準)はソフトバンクとKDDIの2社が営業減益となりました。一方、楽天モバイルが月額0円の料金プランを廃止し、大手3社は楽天から流出した顧客を獲得しました。こうした商機も捉えて個人向け通信事業への打撃を最小限に抑えつつ、法人事業や金融・決済といった非通信分野をいかに伸ばせるかが課題となります。22年4―6月期の個人向け通信事業の営業利益は、3社すべてが減益となりました。NTTドコモはコスト削減により会社全体では営業増益を確保したものの、同事業の営業利益は同9・4%減の1570億円でした。ただ、ソフトバンクが個人向け通信事業の営業利益について「期初想定より順調に推移している」(宮川潤一社長)とするなど、各社は通信料値下げの影響について悲観はしていない。背景にありそうなのは、楽天モバイルが5月に発表した月額0円の料金プランの廃止です。NTTの島田明社長はこの効果について「評価するのは難しい」としつつ「ドコモにとってはプラス」と言及。ソフトバンクも「楽天からの転入が増え、転出は半分に減った」(宮川社長)。KDDIが7月2日に起こした通信障害の影響も焦点になります。同社は楽天モバイルからの転入に伴う契約者数の増加が続くが、通信障害発生に伴って足元では「一時期よりは勢いが少し落ちている状況」(高橋誠社長)。ドコモやソフトバンクがKDDIの通信サービスの新規契約をためらう消費者への営業活動を強化する可能性もあり、各社は転入拡大・転出抑制の取り組みの実効性が試されそうです。また携帯通信大手3社は従来、個人向け通信事業の苦戦を法人事業をはじめとする非通信分野の成長で補う方針を掲げてきた。今後はこうした戦略の加速も求められます。
通信料値下げで個人向け苦戦の携帯3社、首脳たちが決算会見で語ったこと