エノキには、主に以下の2つの意味があります。
1. 樹木としてのエノキ(榎)
エノキ (Celtis sinensis) は、アサ科(旧ニレ科)エノキ属の落葉高木です。日本各地の山野や河川敷、人里に自生・植栽され、大きく枝を広げることで知られています。
主な特徴
- 樹形と用途: 枝を横に大きく広げ、豊かな木陰を作るため、かつては一里塚や街道沿いに目印や休憩所としてよく植えられました。漢字の「榎」は「夏に木陰を作る木」という意味の**国字(日本で作られた漢字)**です。
- 葉: 葉は互生し、先が尖った広卵形で、基部が左右非対称なのが特徴です。また、葉の表面は少しザラザラしています。
- 果実: 9月〜10月頃に直径約6mmの球形の赤褐色の小さな実(核果)をつけます。果肉はわずかに甘みがあり、鳥が好んで食べます(別名「餌の木」の説もあります)。
- 昆虫との関わり: 日本の国蝶であるオオムラサキの幼虫の食樹として有名です。
- 材: やや硬く、建築材、家具、器具材(まないたなど)として利用されますが、狂いが出やすい性質もあります。
2. 食材としてのエノキタケ(エノキ)
一般にスーパーなどで売られている「えのき」は、このエノキの木の枯れ木などに生えるキノコ、「エノキタケ」(榎茸、Flammulina velutipes)を人工栽培したものです。
食材としての特徴
- 栽培品: 通常、市場に出回っている白いエノキタケは、日光を遮断した暗所で栽培されたもので、野生のエノキタケ(茶色で傘が開いている)とは見た目が異なります。
- 栄養: 低カロリーで、食物繊維が豊富です。また、疲労回復を助けるビタミンB1や、鉄などのミネラルも含まれています。
- 調理: 味にクセがなく、鍋物、炒め物、味噌汁など、様々な料理に使われる「万能きのこ」です。
- 注意点: 生のエノキタケには、毒性のあるタンパク質(フラムトキシン)や食中毒の原因菌が含まれている可能性があるため、必ず加熱して食べましょう。
エノキについて、樹木かキノコか、どちらかについてさらに詳しく知りたいことはありますか?